news-img news-img

NEWS

ビデブー アメリカクライミングトリップ 後編 AN#04

2024-02-21 (ANJUブログ)

後編です。前編はこちら。


DAY9
一昨日の良い流れのまま、The forever war 5.13a -5.13c/dへ。しかし、取り付き地点にきてびっくり。臭い。臭すぎる。猛禽類の巣になってて、本当に臭くて、私はビレイしてるだけでリタイアしそうな勢いで苦手な匂い。

パートナーは無事一撃。でもロープを抜く時に下部のクラックにロープがスタックしてしまった。それの回収も兼ねて、臭いに萎えながらの1トライ目。フォールすらせず即テンション、スタックも解除できずに即ダウン(情けない)。とりあえずパートナーがもう一度トップアウトして上からスタック解除を試みるも失敗。

まあ、これも何かのご縁、せっかくだしスタック解除ついでにトップアウトだけでも目指してみるかぁってノリで取りついたら、まさかのさっきまで手も足も出なかった核心が超えられた。え?!え?!こんなことある?!って内心焦りまくりながら、這い上がる。核心後も普通に悪くて、ずっと落ちそう。気合いだけで悪いパートもこなし、ロープスタック解除の使命も忘れて、最後の長すぎるウィニングロード的オフィズスをこなしてRP。喜びより驚きが勝る。。そのあとちゃんとスタックも解除できた。

これまた5.13あるのかよくわからないけど、(Lucille よりは私は全然難しく感じた)一応自己最高グレードをこんなまぐれみたいな登りで叩き出してしまった。まあいいか。気分は全然悪くない。

DAY10
昨日の奇跡のRPと引き換えに、私は手のひらの皮を失っていた。

チキンウィング、プッシュ、ハンドジャム禁止令、ということでめちゃ易しいルート登ったりビレイしたりな日。

DAY11
禁止令に耐えきれず、big pink 5.11bを登りに行くことに。アプローチを間違えて道なき道を歩むことになりながらも、なんとか到着。見た目の感想は 短!!!? うん、めっちゃ短い。取り付いてみてわかる、短さに悪さが詰まりすぎていた。ビデブーきて触った中でダントツに悪かった。敗退。
午後はレスト。

DAY12
パートナーが体調不良を訴え、ちょうど良いタイミングで日本から知り合い夫婦がビデブーにやってきたので、彼らと再びBig Pinkへ。セッション効果で、左刺しより右刺しの方が可能性がありそうなことが発覚!でも核心のムーブがどうしてもこなせない…。旦那さんはラグビー用のヘッドギアつけたり、バレー用のサポーターつけたり意味不明な格好してたけど、熱いRPを見せつけてくれた。私は核心のムーブが解決できずに敗退。悔しい!これは次来た時の第一目標ルート!


DAY13
パートナーの体調不良の原因が発覚、COVID-19。。。私は陰性だったので、今日も夫妻に混ぜてもらいThe Wing 5.12cへ。苦手なインバージョン(足先行)課題。squatでは即逃げしたインバージョンだけど、苦手を克服しないとダメだぞ!って諭されて私もトライ。ダメダメながらも、何度もトライするうちに少しだけインバージョンの扉を開いてきた。(いや、ノックしたくらいかも。) 登れてないけど、超絶かっこいい写真撮ってもらった。登れてないけど。


DAY14
ペーパードライバーかつレンタカーの規約で年齢的に運転の出来ない私は、二人に今日も混ぜてもらって一緒に街におりてレスト。小さな街だけどララミー探索、とても楽しかった。

↑このお店はクライミングの道具も扱っていた。

↑このお店のオリジナルグッズがかなり可愛いのでおすすめ。ララミーTシャツとか帽子とかバッグとか。

ちなみにさっきからお店の前でジャンプしてるのはカメラマンに強要されているから。

DAY15
実はDAY3に一緒に登ったアメリカの姉さんとはキャンプ地で度々バッタリ会ったりしてて、また一緒に登りたいねって話をずっとしていた。途中彼女らは実家に帰ったりしてたけど戻ってきたので、この日は彼女らに混ぜてもらった。

BG crack 5.11bの男性フィストサイズのクラックをやりに行ったけど、まあ悪い。スカスカサイズのフィストでテンションしながらなんとかトップアウト。

その後は随分ワイルドなルートを3人でロープ結んで登った。姉さんがチョックストーンに大苦戦してアメージングな登りを披露してくれた!笑


英語が話せなくても友達ができて、ロープを結べた。。自分の世界がまた少し広がった。


DAY16
パートナー復活!しかし、おそらく悪天のため登れるのは今日が最後かも、ということでパートナーの希望でSpatial relations へ。かなり悪そうだ。私はトライはせずに、big pinkの練習にいいよとアメリカ姉さんに教えてもらったgloria’s fantasy 5.10bで気持ちよく挟まった。圧倒的にbig pinkの方が悪すぎて、練習にはあまりならなかったかもしれない。

DAY17
天気が回復傾向にあったので、ビデブーの〆に朝一mainstreet 5.10a!

下部がちょこっと悪いけど、基本ひたすらに癒される楽しい40mのロングワイド!写真は右刺しだけど、このあと迷いに迷って最後まで左刺しで。気持ちよくビデブーを締めくくる。


たった3週間だったが、初めての経験だらけでものすごく長い時間に感じた。名残惜しさよりも、早く家の布団で寝たいな、という私らしい感情でビデブーを後にする。

DAY18-DAY20
格安チケットなので、19時間トランジット等、3日くらいかけて帰国。帰国が1番疲れた。トランジットも飛行機も全身伸ばして眠ることができないのがなかなか辛かった。が、往復11万ほどで、機内食もついているので文句は言えない。

去年クライミングを始めたようなひよっこの私が、ビデブーに本当に行く事ができて、素晴らしいルートを何本も登ったり触らせてもらえるなんて、私はつくづく幸せ者だ。何よりも、クライミングをするまでアメリカに行きたいなんて思ったこともなかった自分の大きな変化に驚いた。クライミングを通じて、間違いなく私の人生は豊かになっている。

-完-

※テントサイトや街、ルートの情報はすべて2023年9月時点のものであり、最新のものではございませんので、ご注意ください。

寺井杏雛