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スコーミッシュでの暮らし #15 おすすめワイドクラック

2025-10-02 (ANJUブログ)

こんにちは。

お待たせしました。お待たせしすぎました。
久々のワイド回です!!!!

嬉しいことに、私、スコーミッシュに来てからまたワイドクラック熱が再熱してきました!トラッドが全般的に楽しい今ですが、モチベ低めだったワイドクラックもまた楽しくなってきたのは非常に嬉しいです。なんといっても、私のクライミングの原点はワイドクラックにあるので、原点回帰!

スコーミッシュには実は、瑞牆山ほどワイドクラックがありません。
同じ花崗岩のエリアなのに不思議ですよね。
でも、量はなくとも、良質なワイドクラック、ちゃんとあります。

まずは…

1. Split Bieber 5.10b


Smoke Bluffsにある美しい#4~#5のクラック。かな〜〜り悪かったです。
男性でもちょっとゆるいフィスト、私はゆるゆるフィストが核心です。
そのサイズならリービすればいいって? 残念ながら、膝が大半の人は入らない細目ワイドクラックなんですよ。
最初の2トライは途中リービしたことで、解除に必要以上に体力を吸われ敗退しました。

なので別日の3トライ目は、絶対にリービしないぞ、という強い意志で挑みました。
体を正面に向けて、リービ風なダブルアームバーで耐え、フィストもいつもは親指を中に入れて握る私ですが、今回は側面に添えて少し立たせて耐えて、途中で挿し向きまで変えちゃって…冷静にその場その場でしっくりくるムーブをパズルのように組み合わせて、あの手この手で工夫して工夫して…

ようやくRP!

この苦手サイズを、ワイド技術を持ってしてRPできたという事実が嬉しくてたまらなかったです。
RPのご褒美にティラミス食べました!笑


このティラミスは、Green Olive というダウンタウンにあるカフェのティラミス!
ギリシャ人の夫婦がやっているカフェでサンドウィッチがとっっっても美味しくておすすめです。

ぜひ、レストがてら、サンドウィッチあるいはティラミスを食べに行ってみてください!

話は 
Split Bieber戻りますが、この5.10bというグレードは手の相当大きな人が初頭したんじゃないかな〜と推測しています。実際にカナディアンのかなり手の大きな友達は良いフィストでトップまで行けて簡単と言っていました笑

でも、その他の周りの人は、男性含めても登りにくいと言っていたので、辛いと思います!ま、ワイドは特にグレードじゃないと思うので、気にせずにトライしてみてください!


2. David Hasselhoffwidth 5.10d


続いてSlhanayTop Shelf にあるチムニー。
見上げると、真っ直ぐ続くワイドクラック。チムニーサイズの大きな狭間が私を呼んでいたので、迷わず挟まりにいきました。

チキンウィングをはじめ、アームバーやヒールアンドトゥなど、ワイドクラックの基本のムーブが盛りだくさん。でも「ムーブ:気合い」「5:5」の頑張れば落ちない系なのも頑張り甲斐があります。
チキンウィングで休んで、アームバーで推進する。「あぁこれこれ!」と思わず声が出てしまうような王道ワイドでした。
ワイド練習にももってこいなルートでした!

3.Pipeline 5.10d


今シーズン最大に楽しみにしていたワイドクラック。そう、それはPipelineです。
こちらもSlhanayにあります。
#7相当のドデカ・ロング・ワイドが、マルチピッチの最後に現れます。
ただデカ長いだけなんでしょって?私もそう思ってました。挟まるまでは…。

最初は薄かぶりなので、余裕です。ただ挟まるだけです。快適な#6~#7の間ほどのサイズをスイスイ登っていきます。半分ほど登ると、長いなこれ…とだんだん苦しくなってきます。

恐ろしいのはここから。次第に傾斜が強くなっていくんです!岩頭に向けてどんどん傾斜が出てきて、吐き出されそうになる!「ちゃんとムズイじゃないか!!!?」激しく消耗していく中で、どうしてもOSしたいという気合いだけで傾斜ゾーンを突破!出し切りました!

傾斜の後は、トップアウトに向けてほとんど寝た壁が続いています。しかし、あまりにも消耗してしまった私はこの5.7くらいであろう最後のセクションに信じられないくらい時間をかけてしまい、ビレイヤーたちを待たせに待たせたのでした。笑



こんなにも綺麗で、こんなにも奮闘的で、こんなにもロングでワイドなクラック。日本にだってそう多くはありません。
このクラックのためだけに、スコーミッシュに訪れる価値だってあるかもしれない、そう本気で思わせてくれる最高のワイドクラックでした。
ぜひ、ご賞味あれ!

4. Hypertension 5.11a


こちらはMurrin ParkNightmare Rockにあるワイドクラック。 
こちら「ムーブ」が重要で、頑張るだけでは登らせてもらえません。

最初はハンド、フィスト、と次第にクラックが広がっていき、いよいよワイドゾーン。気持ちよくリービテーションが決まります!フェイスの小さなホールドも足で拾いながら高度を上げていくと…ニーロックが決まった!ニーロックが決まればこっちのもんです。

パズルのピースをはめ込んでいくように、ムーブをはめ込み気持ちよくOS。最高に気持ちよかったです!

ただ、膝がクラックに入るか否かで難易度が大きく変わりそうです。
ぜひ一度、膝を入れに来てください!



以上がスコーミッシュでのおすすめワイドクラックになります。

瑞牆ほどの量がなくとも、良質なワイドがあるので、是非是非スコーミッシュに登りに来てください。
今回紹介したのは、スコーミッシュのワイドクラックのほんの一部に過ぎないので、また登り次第ご報告させてください!


ワイドしか登りたくなかった頃、ボルダーしか登りたくなかった頃、に比べたら今は随分と色々なクライミングが楽しめるようになりました。そんな色々な選択肢がある中で、ワイドクラックが楽しいと思えるのは、より自由だし、一層嬉しいです。
私は強強クライマーには程遠いですが、自分のペースで幅を広げたり、強くなれたらいいなぁと思うので、皆さんも自分のペースで登り続けましょう〜〜!


寺井杏雛