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What is ワイドクラック?? AN#17
2024-06-17 (ANJUブログ)

こんにちは!
今回はワイドクラックのお話。
散々ワイドワイドって書いてきましたが、そもそもワイドクラックとはなんなのか、どんな種類があるのか、まだほとんど記述してこなかったので紹介します!
ワイドクラックとは、拳よりもり広いサイズのクラック(岩の割れ目)を手だけでなく腕、肩、腰、足、はたまた全身で登っていくクライミングのことです。
ワイドの世界では主に、「オフィズス」「チムニー」「スクイズチムニー」の3種類に分けられております!
「オフィズス」
まず「オフィズス」は、”offwidth”のことで、offしたwidth(幅)なので、快適に登れない幅のことであると〈山と渓谷社〉ピート・ウィタカーのクラッククライミングに書いてありました(納得!)
まあ、こんなふうに肩から腰にかけて半身クラックにねじ込んだり、
(右足は①ニーロック&②レッグバー、右腕は③チキンウィング&④アームバー)

足というか下半身を捻じ込ませて足先行したり、

匍匐前進みたいになったり、、、
(左足はニーロック、左腕はアームバーか奥にハンドジャム)

手と手を重ねることだってあります!
(⑤リービテーション)
とりあえず、「オフィズス」は体の一部を隙間に入れて登っていますね!
半身以上クラックから体が出てしまっているので、その場に留まるのも、登っていくのも一苦労です。
「チムニー」
一方で、「チムニー」というのは、もっと大きな隙間のことです。もはや一つの岩の割れ目を登るのではなく、2つの岩の間を登ることもあります。
こんな風に、大開脚したり、
(⑥ステミング)

背中と足を壁に当てながら登ったりしていきます。
(⑦バックアンドフット)
「チムニー」は基本的には易しく登りやすいです。しかし、この写真のように岩のフェイス面にボルトが打ってあることは珍しく、チムニー内に細いクラックが走っていなければプロテクションが取れず(=落ちても途中の支点で止まれず)易しいからといって全く油断できないものです。
ちなみに、ロープのトポを見ていると、「R」という表記が時々グレードの隣に書いてあることがあります。
これは、「ランナウト」つまり、プロテクションがなかなか取れず、墜落してしまった際の距離が大きくなってしまうという注意マークのようなものです。
ワイド界では、5.9 R なんて表記が時々出てきて、落ちないだろうけど、めっちゃ嫌だなぁと思いながら相当気合を入れて登ります笑
「スクイズチムニー」
最後に「スクイズチムニー」というのは、チムニーをもう少し狭くしたもので、体の大半が岩に接しています。
ちょっと見ずらい写真で申し訳ないですが、こんな風に岩との接地面積が最も大きいです。
(⑧ヒップスラスト)
一番、「頑張れば落ちない」という言葉が相応しい広さになります。が、相当頑張らないと進めない、、です笑
写真に出てきたムーブ紹介
①ニーロック太ももの筋肉のふくらみとフリクションで、体を安定させるムーブ。
膝を曲げて、少し力を入れると、真っ直ぐで何もしていない状態の時よりも太ももがふくらみます。
なので、真っ直ぐ伸ばして力を抜いた状態で、クラックの中に足を入れてから曲げて力を入れることで、その場にとどまることができるようになります。
②レッグバー
シューズのアウトサイドエッジ(小指側)と、膝の内側を、膝を内側に倒すように力を入れることで、それぞれ壁に押し付けて、その場にとどまったり、上への推進力を得るムーブ。股関節が非常に疲れます。
③チキンウィング

肘を折り畳んで、手のひらで正面に向かってプッシュしながら、肩〜肘の後ろ側を壁の反対面に強く押し付けて、その場にとどまったり、上への推進力を得るムーブ。どちらかというと、その場にとどまってレストしたりカムをセットしたりする際に使うことが多い。
つまり、ボルダーでいう、ガバ!安定感抜群です。
④アームバー

こちらは肘を折り畳まずに、手のひらで正面に向かってプッシュしながら、手のひらで正面に向かってプッシュしながら、肩〜肘の後ろ側を壁の反対面に強く押し付けて、その場にとどまったり、上への推進力を得るムーブ。その場にとどまるにしてもかなり力を使うが、チキンウィングよりも推進力が強いので、ぐんぐん登る時に使いたい!
⑤リービテーション
これは、クラックのサイズに合わせて両手を組み合わせてジャミングすることを言います。様々な種類があり、写真のは「手をクロスさせないリバース・バタフライジャム」だと思います…。調べて初めて名称を知りましたし、このリービはここでしか使ったことないです笑


バタフライジャム(写真左)や、ハンドフィスト(写真右)のリービテーションは結構使用頻度高めです。
⑥ステミング
写真の通りの動きで、テレビ番組SASUKEのジャンピングスパイダーに近いと思います!
⑦バックアンドフット
こちらは記念撮影的に撮った写真だったのですが、本来は両手を背面の岩に押し当てています。足と手で推進し、腰を壁に押し付けることでレストもできます。
⑧ヒップスラスト
こちらも足と手と背中や胸で壁を押して推進していくものです。
写真に使ったムーブくらいは、と思い、軽く説明しましたが、やはり文字に起こすとちょっとよくわからないですね笑
ごめんなさい。。
ワイドの世界にも、ボルダーでいうフラッキング、ダイアゴナル、キョン…、ピンチ持ち、カチ持ち、ラップ、ガストン…のようにたくさんの技術があり、一言では説明しきれません!今回紹介した8つのムーブは、数あるムーブのほんの一部に過ぎませんし、何よりワイドはクラックの中の動きなので写真や動画でも伝わりにくいんですね…。
でも〈山と渓谷社〉ピート・ウィタカーのクラッククライミング はイラスト付きで動きが可視化されているので、かなりわかりやすいです。宣伝ではなく、私も時々勉強がてら読んでます。
とはいえ!岩場で実践するのがワイド理解への1番の近道だと思うので、機会があれば挟まりましょう!

次回は、おすすめのワイドギア、ウェアでも書いちゃおうと思います〜。お楽しみに〜〜
寺井杏雛
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