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瑞牆 AN#02
2024-02-13 (ANJUブログ)

初めて瑞牆にやってきたのは2年前(2022年)の4月だ。まだ肌寒く、まだ瑞牆という山に惚れ込む前。大面岩にある左稜線というルートに山岳会の先輩に連れてきてもらった。その時は何もかも初めてで、必死にフォローしていたからほとんど景色を見た記憶はないのだが、最後に待っていた5.10aのワイドクラックがとても難しく楽しく印象的だったことを覚えている。


左稜線5.10aのワイドクラック
その3日後に再び瑞牆にやってきて、生まれて初めてクラックをリードした。谷口けいさんが初登したKクラック(5.9)だ。クラックどころかクライミング自体始めて間もなかった私にとっては、カムを決めることもジャミングもすべてが新鮮で不安と楽しさがぶつかりあっていた。もうあの日以上に純度の高いクライミングはできないかもしれない。それくらい真っ白な私の心にクライミングが入り込んできて、何にも囚われず純粋に楽しむことができた。
それからは数え切れないくらい瑞牆に足を運んだ。気がついたらクラック、特に左稜線の最後に出てきたようなワイドクラックに心惹かれてしまった私は、ほとんどワイドクラックを登る日々を過ごしたので、有名ルートやクラシックルートはあまり登れていないのだが、それでも私なりに瑞牆で長い時間を過ごしてきた。ずっと登りたかったルートが登れた日、なんにも収穫のなかった日、ロープがスタックして登り返した日、弱い自分にがっかりした日、傷と泥だらけになった日、クライミングが少し嫌いになった日、いろんな日があった。それでもどんな日も瑞牆は美しかった。登り切った岩頭から世界を見下ろすと、あるいはマルチピッチの途中や下降中にふと岩に背を向けると、はたまたアプローチ中にふと足元を見ると、そこにはいつも息を呑むような美しい世界が広がっている。どんな天気でも、どんな季節でも、どんな心情でも、瑞牆はいつだって力強く美しく、生命力に溢れているのだ。




人が、何にフォーカスしてクライミングをするのか、それは多種多様だろう。強さの追求だったり、自然遊びという要素だったり、未知の追求、冒険、自己表現手段等々。瑞牆が美しいだけでは、ここまで多くのクライマーを惹きつけなかっただろう。瑞牆にはあらゆる要素が備わっている。ボルダーからスポート、トラッド、まだまだ開拓の余地もある。自分なりのスタイルを創ることもできる。瑞牆の開拓の歴史をみれば日本のクライミングの歴史に触れることもできる。数多の要素が瑞牆という美しい山の中に集結しているからこそ、瑞牆は多くのクライマーを惹きつけるのだろう。
初めて瑞牆に行ってから2年間近く経った。毎週のように瑞牆に通ったというか、時々週の半分くらい瑞牆で過ごす時もあった。幸運にも昨年はアメリカトリップに行くことが叶い、ワイオミングのビデブーや、ヨセミテにも行くことができたが、世界中のどんなに素晴らしい岩場を知っても、やはり私にとって1番の岩場は間違いなく瑞牆だろう。あんなにも美しく、あんなにも懐深いのは瑞牆だけなんじゃないだろうか。

初めて瑞牆に行ってから2年間近く経った。毎週のように瑞牆に通ったというか、時々週の半分くらい瑞牆で過ごす時もあった。幸運にも昨年はアメリカトリップに行くことが叶い、ワイオミングのビデブーや、ヨセミテにも行くことができたが、世界中のどんなに素晴らしい岩場を知っても、やはり私にとって1番の岩場は間違いなく瑞牆だろう。あんなにも美しく、あんなにも懐深いのは瑞牆だけなんじゃないだろうか。

瑞牆の新ルートトポ『瑞牆クライミングガイド第2版』が昨年の秋に発売されました!トポなんでルート情報が載っているのは当然ですが、驚くべきことにその総ルート数は919本!第一版から300本以上追加されています。何よりいろんなクライマー達の手記が本当に本当に良いので、まだ手に取っていない人は是非手に取って読んでみてほしいです。
https://pump-climbing.com/guidebook/
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