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スコーミッシュでの暮らし #20 秋晴れクライミング 後編

2025-11-11 (ANJUブログ)

こんにちは!
今、これを書いているのは11月頭。トレイルが落ち葉で彩られ、遠くの山の上は日ごとに雪の気配を強め、季節の変化を感じる毎日です。



「季節の変化」ってすごく大切ですよね。心がやすらぎます。今、東京中心に暮らしていた頃に比べたら、自然が身近になって季節の移ろいを肌で感じることができて幸せです。

でも、実家に住み、都心に電車で向かう日々の中にも、必ず通る大きな公園がありました。この時期にはモミジは真っ赤に、イチョウは黄金色に輝き、冬には何もかも散って閑散とし、でもまた春には世界が桃色に、そしてやがて葉桜になり、生命みなぎる夏がやってくる。このサイクルを日々楽しみに眺めていたなぁと思うと、日本の四季が堪らなく恋しくなります。きっと、季節の変化のないところには住めないなぁ、なんて思ったりも。スコーミッシュが四季のあるところでよかった。


さてさて、余談が長くなりましたが本題に入りましょう。今回は秋晴れクライミング②になります。前回はこちら。

Chiefって海を背に登れるんですが、1本ハイウェイを跨いでいます。なので、城ヶ崎や大堂海岸のような海辺クライミングとはまた違います。(街と海を背に登るのもまた新鮮で好きですが。)ところが、実はこのハイウェイを跨いで海側にもThe Malamuteというエリアがあるんです!


ということで今回は、ずっと行ってみたかったThe Malamuteに駆け込みで行ってきました。
チーフの向かい側に駐車したら、少しトレイルを歩きます。

行くエリアによって懸垂ポイントが変わるので事前に決めてから出発することをおすすめします。懸垂下降アプローチって、近いようで遠いので。。。笑
ちなみに、私たちは何も決めずに向かったので、「あれ、ここからじゃ、いきたいところ行けないね笑」を繰り返し大幅なタイムロス。でもいいんです。この日はエンジョイクライミングな気持ちだったので。

ようやく、登るラインを決めて懸垂下降。

High Mountain Woody 5.9 Top100


45mのなが〜〜いクラック!ただまっすぐの1本クラックではなく、バライティーに富んでいて登りごたえがしっかりあります。さすがはTop100。

核心は下部とトポに書いてあり、実際にそこが少し悪かったです。その後もいつも以上に丁寧に時間をかけて登ってしまいましたが、トップアウトした時の景色の良さ!海を背にして登るってやっぱり気持ちがいい!フォロービレイをしながらずっと海を眺めていました(ちゃんとビレイはしながら)。



続いて、もう一度懸垂下降して同じエリアのお隣のラインへ。

Stephanie's Tears 5.9 ☆☆☆☆ (2ピッチ)



こちらは、途中テラスが現れるので、2ピッチに分けてと登ります。
25mの1ピッチ目。正規ラインは右まわりでフェイスに出てボルトを使いますが、私は左まわりでクラックをたどりました。クラックラインはナチュプロだけで行けます。どちらでグレード変わらず5.9。

20mの2ピッチ目


テラスから顕著なコーナークラックを登ります。レイバック気味の体制でプロテクションを取りながら登るのってすごく怖くないですか?私は苦手です。(フォローだったけど笑)このコーナーも5.9でした。

やはり、簡単でも短くてもマルチピッチって満足度が高くて楽しくて好きです。


仕事前だったこともあり、この2つだけで終了!
ロケーションがよく、岩の質も、ルートの満足感も高かったです!城ヶ崎や大堂海岸とは違って、湾なので波がなくすごく穏やかな気分で登れました。すごく難しいラインはなく、5.11までのエリアになります。どちらかというと、エンクラなエリア。

強いていえば、ログヤード(木材集積場)が岩の真下にあって、ちょっと機械音がしたり人工物がチラチラと視界に。これがなければ最高なのになぁ:( と思ってしまいましたね。とはいえ、すごくおすすめエリアだったので、来年もまた行こうと思います!


最後に悲しいお知らせです。。。
去年も紹介したPortableという石(岩)が行方不明になってしまいました。(去年のブログはこちら
この石、スコーミッシュでボルダーをしたことのある人なら、知っているのではないでしょうか。

この石に課題が、しかも2本もあるのです。マントルと片手持ち上げ。それぞれV4とV6。トポにも載っています。笑

誰かが盗んだのか、ひとりでにどこかに行ってしまったのかは不明ですが、失踪してしまいました。

そして、そのことがスコーミッシュのローカル新聞に取り上げられました。

さすがクライミングの街だなぁとちょっと感心。


ちなみに、このスコーミッシュの新聞は無料です。街中にポスト的なものが設置しており、そこに入っています。読みたい人がそこから勝手に持っていくシステム。1週間に一度発行されています。

何はともあれ、Portableが元気に戻ってくることを祈りましょう。

では、また!

寺井杏雛